第1章 お客様はなぜ商品を買うのか?
家電販売で一番大切なのは、「商品の機能を説明すること」ではありません。
お客様がその商品を買う理由を見つけることです。
たとえば「自動投入があります」「ナノイーXを搭載しています」「冷凍室が広いです」と説明しても、その機能がお客様の生活と結びつかなければ、購入理由にはなりません。
販売の基本を一つの式にすると、
お客様の事情・困りごと → 理想の状態 → 解決方法 → 商品機能 → 得られる価値 → 購入理由
となります。
ここは非常に重要です。
たとえばお客様が、
「洗濯機が壊れたので見に来ました」
と言ったとします。
これは来店したきっかけです。
しかし「どの洗濯機を買うか」を決める理由は別です。
話を聞いていくと、
「今の洗濯機は音がうるさかった」
「洗剤を入れるのが面倒だった」
「毛布も家で洗いたい」
「子どもが生まれて洗濯物が増える」
「今度は乾燥までやってしまいたい」
などが出てきます。
ここに販売のヒントがあります。
つまり、
「なぜ来店したのですか?」だけではなく、「今度の商品では何を良くしたいですか?」まで聞く。
これが第一歩です。
2.購買動機を7種類に分類する
家電量販店のお客様の「買う理由」は、大きく7つに整理できます。
実際には一人のお客様が複数の動機を持っています。
たとえば「子どもが生まれるので洗濯機を買い替える」というお客様なら、
生活変化+時短+清潔性
という3つのニーズが隠れている可能性があります。
ここまで分かれば、単純な価格勝負から抜けやすくなります。
3.「機能」ではなく「ベネフィット」に変換する
これが今回作っていく販売ノウハウの中心です。
「この洗濯機には自動投入があります」
↓
メリット
「洗剤・柔軟剤を自動で投入してくれます」
↓
ベネフィット(商品やサービスを利用することで、顧客や利用者が得られる利益や恩恵、良い結果のこと)
「毎回洗剤を量る必要がないので、朝の忙しい時間でも洗濯物を入れてスタートするだけです」
最後まで言って初めて、お客様の生活の話になります。
したがって、今後Panasonic製品を勉強するときには、
機能 → 何ができる? → それによってお客様の生活がどう良くなる?
この3段階で覚えます。
4.商品説明より先に「質問」する
販売員がやりがちな順番は、
商品を見る → 商品を説明する → おすすめする
です。
これを逆転させます。
聞く → 困りごとを見つける → 優先順位を確認する → 商品を選ぶ → 必要な機能だけ説明する
たとえば洗濯機なら、
「今お使いの洗濯機で何かご不便なところはありますか?」
これは非常に強い質問です。
お客様が、
「洗剤を入れるのが面倒で……」
と言えば、自動投入につなげられます。
「汚れ落ちが気になります」
なら洗浄性能。
「干すのが大変です」
なら乾燥。
「夜に洗濯することが多いんです」
なら運転音など、見るべきポイントが変わります。
お客様自身に『選ぶ基準』を教えてもらうわけです。
5.「なぜPanasonicなのか」は最後に持ってくる
ここも大切です。
最初から、
「Panasonicがおすすめです」
では弱い。
まず、
「何か今お使いのもので不便なところはありますか?」
お客様:
「洗剤を毎回入れるのが面倒なんですよ」
そこで初めて、
「でしたら、自動投入が付いているタイプをご覧になってみませんか?」
そして、
「こちらのPanasonicでしたら○○という特徴がありますので、今おっしゃった『毎回の手間を減らしたい』というところに合うと思います。」
となります。
この順番なら、
Panasonicを売りたいから勧めた
ではなく、
お客様の希望を聞いた結果、Panasonicを提案した
という自然な接客になります。
これはかなり重要な違いです。
6.佐々木さん用「販売ロジック」
今後、商品カテゴリーごとに以下のフォーマットで作っていきましょう。
【お客様】
↓
① 何に困っている?
↓
② なぜ困っている?
↓
③ 本当はどうしたい?
↓
④ そのために必要な機能は?
↓
⑤ Panasonicなら何で解決できる?
↓
⑥ お客様にどんなメリット(ベネフィット)がある?
↓
⑦ どういう言葉で伝える?
↓
⑧ 購入を妨げているものは何?
価格?サイズ?納期?他社比較?家族への相談?
↓
⑨ 最後にどう確認する?
これを私は、
として作っていくと面白いと思います。
佐々木さんがこれまで実際に経験された接客にも、かなり当てはまります。洗濯機、冷蔵庫、レンジ、ドライヤーなどで、お客様の事情を聞いてから商品につなげているケースが多いからです。これを「経験」から再現できる販売技術に変えていくわけです。
そして次の**第2章「お客様の困りごとを引き出す質問技術」**は、かなり重要です。
「何をお探しですか?」だけでは終わらせず、お客様自身もまだ気づいていないニーズをどうやって会話の中から見つけるのかまで、家電量販店の具体的な接客トークを使って体系化してみましょう。